このドラマ、
現在進行形のデート中に藪下依子サイドと谷口巧サイドがデートに至るまでのあらましを小出しにしながら、現在と交差させ、徐々にフラグを回収させる手法なんですよね。
どちらの視点にも偏らないように見せるため、うまく出来ているなあと感心してしまいます。
そのせいか…私の力量だと説明しづらい、感想も書きにくい部分も多く、全て書いたら途方もない量になってしまうため、印象に残ったシーンを書こうかなと思います。
第二話は、月九、いや恋愛ドラマにおける、史上最低のプロポーズ大作戦と記録に残したい!
今回の話は
奇跡的に巧と結婚してもいい女が現れた!
ならば!
ニートってバレないうちにプロポーズをして婚姻の約束を取り付けようではないか!
という巧サイドは無茶ぶり展開発生。
しかもデートスポットナンバーワンに選ばれる遊園地が舞台。
そしてフラッシュモブ形式(劇的な演出を応援する人みたいな?)
選曲は広末涼子の大スキ!という、35歳辺りが青春時に流行った曲を使用。
よりによってその曲をチョイスしたことにより、これ以上ないチープさとダサさが兼ね備わったプロポーズ大作戦を敢行するのだ。
真剣にプロポーズを成功させたいのか?と思わせるような内容で邪推したくなるほどだが、これ以上母親の世話になるのかと宗太郎の妹・佳織も追い込み、協力して踊るというのだから意を決っし巧は踊ることになる。
巧も自分の置かれている立場は重々承知している。
ニートであること、職につきたくないこと、自分の生き方のこと。
そのことをプロポーズ大作戦の前に、自分の生き様を告白しようとすると…
ああ!なんでこんなタイミングで鷲尾(依子と見合いするものの、先に谷口との縁談が進んでしまったのでお断りされてしまったが一般的に見ると体育会系好青年、職もある)が颯爽と登場!
またの名のデートクラッシャー。
謎の使命感を持ち、巧の正体を調べ暴露するのだ。しかも依子からは調査しないでくれと断られたにも関わらずに、だ。
しかし…暴露するにしても、もう少し準備やタイミングを見計らって話すことはしない鷲尾。
あっ…そうだった、前回も巧を結婚詐欺師と勝手に決めつけ船上から落としてしまったからに、体育会系にある典型的なタイプ(決めつけては失礼なのですが)なのか、だから先に身体が動いてしまう衝動性を持ち合わせている。
けれど鷲尾…君の存在のお陰でプロポーズ大作戦はカオスに磨きっぷりが掛かった地獄絵図を巻き起こしてくれます。
ここの部分をセリフで書き起こしたいぐらいだけれど、もうセリフの量が多すぎて諦めてしまったのですが
依子は巧がニート/高等遊民であっても、なんらかの理由で働けないものだと考え何度も尋ねますが、巧はそれらの理由にはまったくもって当てはまらず、ただ家で読書や映画音楽鑑賞をして教養を深めている!高等遊民の生き方を自ら進んで選択しているのだと吠えるのです。
そして、大スキ!が流れる中、駆け足で自分のこと、結婚に至る説明し始めます。
巧 「母に代わって 寄生する相手を 手に入れるしかない」
鷲尾「なんでそうなるんだ?」
巧 「そしてそれは 妻という存在であろうと!」
鷲尾「違う!働け!」
巧 「藪下さん! 僕はあなたの資料を見た時 びびっときた この人だって思った!結婚後も 働くことを望んでいて 国家公務員だから福利厚生もしっかりしてるし リストラも倒産もない!給料も安定している!寄生するなら もう この人しかいないと思ったんだ!」
鷲尾がまるで視聴者を代弁するかのツッコミをかわしつつ、早口で結婚したい理由を心の底から打ち明ける、
すごい、馬鹿だこの人!本音言っちゃってる!!
結婚したいならもうちょっとうまい言い方ないのか?!
もう自分のことしか全く考えていない!身勝手も良い主張だなあ…と呆れる間もなく巧のダンスパートへ突入!
ひきつった笑顔で踊る巧、長年のニートのせいか少しだけテンポは遅い。芸が細かいハセヒロ。この役はもう君にお似合いすぎて賞賛を送りたい。
その振付はもう僕は君しか見えてない!と言わんばかりの情熱アピールだ。
プラッシュモブたちも成功を願うように踊りまくる。
もう見ているこっちが恥ずかしくなるからやめてくれ!と懇願しても止まらない終わらない。
追い打ちを掛けるように小首傾げて可愛くハートマークを手で作る巧。
結婚して下さい!と指輪(代金は母親から捻出)を見せる必死な巧。
…もうダメだ…ダサい、ダサさここに極めり。
公式にその模樣があるので是非見て欲しい。
とにかくここ何年かでぶっ飛んでいるプロポーズ大作戦だ。
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もちろん…プロポーズは大失敗、撃沈、その上依子があなたは社会のエラーですと断言。
この後、エラー発言に触発されたのか巧はぶっちゃけます。
さながら大舞台の役者のように激しく、世間の凝り固まった常識がなんだと悲痛に近い声で訴える姿が痛々しくて…
自分の生き様を認めないくせに、それなら君たちが俺の生き様については言うことじゃないと
この考えに辿り着くまで巧の人生になにがあったのか…
第二話はプロポーズを断りお付き合いが終了となります。
親のことをあっさり見捨ててしまう言動が依子のなかで許せない部分だったんでしょうね。
二話目にして破局…こういうのって普通クライマックスに持ってくるものだと思っていたけれど、まだ物語がはじまったところで縁を切らせるドラマもまた珍しいなあと思いました。はい。