炭酸メトロノーム

映画やドラマの感想を気の向くままに自由に書き連ねてます/ネタバレアリ

ドラマ「富士ファミリー」

あけましておめでとうございます。

本年もゆるゆるっとドラマ・映画の感想を書いていこうかと思います。

できたら去年より映画を見に行く回数を増やしたいものです。

 

お休みなので映画でも見に行こうかと思ったんだけど、子供がどうしても妖怪ウォッチがいい!とせがまれて…

前年、一緒に見に行ったんですが、クライマックスで一触即発になりそうなバトル展開の途中にギャグを挟まれてしまい、それまでギリギリ保っていた何かが…話にのめり込みたい気持ちが削がれてしまい、あっ!もういいです!結構です!といった気持ちになりまして…見に行っておりません。映画だからね、テレビと同じようなテンションはやめて欲しいなあって。

 

そんななか、マツコデラックスの模倣体、マツコロイドがドラマに出演するという、2日に放映されたNHKの新春スペシャルドラマ「富士ファミリー」を見ておりました。

 

※ネタバレあります

 

 

 

お正月のゆるゆるっな雰囲気が合うようなそんなドラマです。

大きい事件が起こるわけでも、誰かが特殊能力を持つようなそんな話ではなく、

コミカルと少しのリアル、そしてファンタジー色溢れるドラマでした。

 

富士ファミリーは笑子ばあちゃん(片桐はいり)と早くに両親を亡くしてしまった三姉妹が織りなすお話です。

笑子ばあちゃんはちょっと頑固で気が強い、けれども誰よりも寂しがりやな面があります。おはぎつくりが得意で、大晦日は飛ぶように売れる勢いのおはぎ、一度食べてみたいねw

ふけメイクした片桐はいりがどうみてもおばあちゃんになっていてw

ご飯の食べ方、姿勢など、所作が親戚のばあちゃん(もうすぐ100歳)に似ていてふふっと笑いがこみ上げてしまいますね。

長女鷹子さんは薬師丸ひろ子が演じます。私、若いころ活躍した薬師丸ひろ子はあんまり存じ上げないけれど、この中年の今、すごく大好きです。上品な役も、髪を乱し嫉妬に狂うような人妻感もこの方なら似合うっていうかね。

 

それぞれ娘たちの人生の転機があり、自分の居場所、そして自分自身の存在肯定について問います。

 

長女は知らずに長女ゆえの役割、家を守るということを知らず知らずに担ってしまい、結婚するタイミングを逃してしまいます。けれどもそれは20年間、毎年のようにプロポーズする男性がいるせいもあるんですよね。いつでも結婚できる、私は誰かに求められていることに対してうぬぼれもあって。

でも男性側もとうとう諦めて違う女性と結婚するというじゃないですか!

長女を諦めるといったときの彼女の顔からして少なからずうぬぼれていたんだなあw

 そんな男性からもひとつ提案があり、マンションを購入したのだけど家具を決めてほしいと。奥さんとなるひとはあまり趣味がないらしい、だから長女のセンスでお願いしたいと。しぶしぶ長女は引き受けますが、内心はどうしてその奥さんが自分じゃないのかと思い始めるんです。失ってからわかるこの辛さ。プライドもあり引き返せません。あーもうじれったいねw

ふと家具を設置したあと、隣の部屋から聞こえる若い夫婦のやりとりが自分がなりたかった姿、でもなれない悲しさ…

やっぱり結婚ってチャンスとタイミングがあるうちに結婚しておくものだと痛感するわ…

しかしこのインテリアを任せたのは男性側の策で、ここまでしても長女の気持ちが自分になびかないのなら諦めようとするものでした。やるね~!

 

 

またアンドロイドのマツコロイドから漂うファンタジー感が面白かったです。

ニュースで演出家さんがみっちり演出をかためただけあって、深淵なるキャラクター感がしていましたし、この話のキーマンにもなっています。

立場的には「介護してもらうロボット」介護してもらうと断言できる存在もなかなかいませんねよねw介護をしてもらうのは周囲が大変なことですが、もうさらっと、悩みのひとかけらもないぐらい、当たり前に言っちゃう。

笑子ばあちゃんが歳を取り、周りに迷惑をかけているのではないのかと悩んでいるときに出会います。

マツコロイドはいつもの調子で言います。

「意味があろうかなかろうが、すでにわたしたちはここにいる。そのことのほうが重要なんかじゃないかしら」

 

 

ここまで見てきて思ったのは、このドラマ、ちゃんと言いたいことは言葉で伝えてるんですよね。

日常におけるやりとりの時間と、言葉で伝える部分の時間がはっきりしてるんです。

だから何が言いたいんじゃ?何がしたいんだ?と思うこともなく、わかりやすくていい。

言葉も長ったらしい調子じゃありません。短い言葉でもなかで役者さんの演技や小道具、さまざまなギミックで伝えようとすることで十分分かるということ。

 

冗長な脚本でもなく言葉足らずの雰囲気だけで流すようなドラマではないことものを新春から見れたので大変ご機嫌になりました。