あの「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」を作った矢口史靖監督の作品ですね。
私の記憶の中ではハッピーフライトを作った以後記憶になくて、家人がこれ見ようぜと「ロボジー」という作品を提示され、
あれ?矢口監督、こういう作品を作っていたんだなあと知りました。
2011年の作品、つい最近ではないですか(5年以内は最近ということにしている)ただ宣伝されていたっけ…と首を傾げてしまいました。
内容は、ロボットの中に爺ちゃんが入り一騒動を起こすコメディで、小学生の子供とでも一緒に楽しめてみることができました。
なかなか大人も子供も仲良く見ることができる映画って少ないのではと、これは我が家の問題でして、
今までは子供と一緒に見る場合は、幼いので子供の年齢に合わせた内容を選んでました。
ただ、ね、子供向けに作られた作品では大人には物足りない、のめり込むほどのストーリーもない。昔好きだったドラえもんは思い出補正があり、やっぱりドラえもんの声は大山のぶ代さんじゃないと馴染めない。昨今はやりの妖怪ウォッチは話のテンポが慣れなかったりと…
そろそろ小学生だし話の聞き分けも出来るであろう、たまには親側も楽しめるような映画も見たい!という気持ちが湧き上がってくるんですよ。
しかし子供には殺人やらパニック映画はあまり見せたくない。見せられない。
そして子供自身、低年齢が楽しめるアニメも次第に卒業に差し掛かり、ストーリーがあるものを好むようになり始めました。
うーんチョイスが難しく、悩ましい。
とりわけこっちで放映されているアニメの数が少ないので、妖怪ウォッチを卒業したら何見るの状態。
とりあえずガンバの大冒険や南の島のフローネの昔のアニメを薦めたところ、話の展開が遅いやら(約50話もあればダレる部分ありますからね)セリフが聞き取れない等、多分うちの子の問題もあるのですが…すぐ飽きてしまう。
この夏、一緒に楽しめて見ることができたのは「サマーウォーズ」の細田監督作品ぐらいかな。
あとはジブリとディズニーが頼り。
そんななか、このロボジーは親の私も子供も楽しめたので、一緒に映画館で見に行きたいとさえ思いました。
私がロボジーの好きな部分は、何が何でも嘘を突き通したことです。
そりゃ木村電機の三人はロボットの中に人が入って動くという事実はヒロインの言葉通りロボット界の冒涜ですし、嘘はついてはいけないという子供のお決まりも破ります。
しかし、そこにはやむにやまれない事情…三ヶ月で歩行ロボット作れというのは本当に無茶ぶりでやらされて、でも彼らはリストラされまいようとそれなりに頑張ったのですが…ロボットが投身自殺しちゃったんで、一度だけなら人に入ってもらおうと、その一度限りが予想以上にオオゴトになってしまったからさあ大変…この収拾ってどう付けるのかと楽しみみていました。
大概は最後にはバレて謝罪…なのかとおもいきや、コメディちっくに解決し、こういう展開も悪くはないなと思いました。木村電機の面々も代償を払うがごとく寝食を忘れロボット開発に頑張ったし、いつ嘘がバレるのか気が気でなかっただろうよ。
木村電機の三人は性格も背格好もバラバラでキャラクター的に富んでましたね。その中で濱田岳の存在が光っています。弱気で何もできず不測の事態にオロオロしちゃうけれど、不思議と善人オーラーを醸し出せるという稀有な役者さんだなあ。
ロボットニュー潮風役のじいちゃんのも、世間や孫と溶け込みたいのだけどこれまた気難しい性格でして仲良くなれない。妻にも先立たれ独居老人の半日が物悲しく居たたまれない気持ちでいっぱいになります。ちなみにミッキー・カーチス。最初は目を疑いましたともw
その四人のドタバタあり友情もあり、最後にね、腰から4つの磁石を取り出すところでうるっときましたね…
腰痛用の磁石は非常に強力で簡単には離れない彼らの友情なのか、そして磁石が使えないということは不必要ということで、もう彼らには会わないという暗喩なのかなと。
最後にヒロインの吉高由里子。ロボット好きが高じて結婚したいぐらい学内一のロボット狂。ニュー潮風(人入り)が彼女を助けたことにより、更にロボット愛のゲージをフルスロットさせ、卒論テーマにニュー潮風を選び就職先も木村電機に志望するという実行力溢れる学生です。
木村電機のデブに「君はこの業界向いてないよ」と言われ(このセリフもいろいろあり本意じゃないのですが)、ショックからか、今まで集めていたニュー潮風のグッズを泣きじゃくりながら捨てる様…感情の振り幅が大きいヒロインです。
ロボットに恋をして、失恋し、復讐の鬼と化した吉高由里子。思い切って演じてます。それがとても可愛い。
彼女はニュー潮風が人が入っていることに憤りを感じたけれど、二度目は生身に助けられ…次第に考えを変えていくさまも好きですね。