炭酸メトロノーム

映画やドラマの感想を気の向くままに自由に書き連ねてます/ネタバレアリ

ドキュメンタリー「恐怖と緊迫の事件簿」

恐怖と緊迫の事件簿

huluで視聴。

なんと仰々しいタイトルなんでしょうか。

事件に巻き込まれ、実際の映像(気の弱い人は見ないほうが良いと思われる種類もあります)と関係者のインタビューそして再現性の高いドラマと淡々と語られるナレーションで構成されています。

時々、アンビリバボーで最後の15分に組み込まれる系だと思うんですが丸々一本見ると印象が全然違って見えます。特番で流すお茶の間映像とはテンションが全く違います。つうか切り取って流すぐらいなら丸々一本流したらいいのになと思うよ。

日本ではあまりお目にかかれない類のドキュメンタリーものかと思います。

グロ平気なんですが、そこに人の本物の悪意が介在すると私の心が憔悴しそうなので、興味のそそるタイトルだけ見てみました。

 

第1話:ハリウッドの銃撃戦

武装した銀行強盗二人組VS最低限の装備しかない警察官

犯人は装甲板すら貫通する銃と弾を装備して撃ちまくります。銀行強盗のはずが白昼堂々戦争でもおっ始めるような装備で挑んでくるんで溜まったもんじゃない。

警察官が応援に駆けつけますが、本来、盾となるはずの警察の車は紙装備となり役立たず、そのせいで負傷する人間多数。撃っても特殊装備のためか弾は弾き返される始末で最後にはSWAT出動で追い詰めていきます。

結末は一人は自殺、テレビカメラが生中継で捉えた映像を使用。もう一人は足元を撃たれ身動きが取れないところを確保、しかし出血多量で死亡という結果に…。早く処置しないせいで死んだと犯人側の遺族が抗議したというナレーションがあり…私ここで絶句。身内の起こした犯罪に対してこういう結末は仕方ないと思うんだけどね。

そして最後のナレーションで二度目の絶句。これを機に警察官のほうも武装を強化するとのことでした。銃規制に繋がらないあたりあの国らしい。

 

 

 第2話:敵地に堕ちたパイロット 

ボスニアにてセルビア人により撃墜され無事脱出できたが敵の陣地、兵士を取り戻すために奪還作戦の話です。もしかしてこれは「エネミー・ライン」の元ネタなのではと思ったらその通りでした。

セルビア人兵士もすごいもので、戦闘機にレーダーは感知され避けられるので、一瞬だけレーダーのスイッチを入れ、すかさず機影をチェック、そこから計算し地対空ミサイルで撃ち落とすんですって。戦闘機側も一瞬だけなので誤差なのかと勘違いしたり。

運悪くミサイルに撃ち落とされ、兵士は6日館敵陣を彷徨います。

ここで驚くのはインタビューの面々。

当の本人や上司に心境を語らせることはよく見受けられますが、あれから時代が変わったのでしょうか…陣頭指揮を執っていた民兵セルビア人にもインタビューを受けております。

相手側の考えも伝えるスタンスは悪くないが、死地を彷徨った兵士の心情を思うと言葉に表せないものがあります。

 

第9話:モスクワ劇場占拠事件

当時、私は仕事に追われ、新聞テレビすら見ておらず日々のニュースすら疎くなっていた時期があったのですが、それでもこの事件の特異性と、多数の死傷者を出した忌まわしいテロ事件だけということは覚えていました。

劇場内を占拠、要求を飲まない場合は劇場ごと爆破する予定だと脅す犯行グループ。もちろんロシア側はテロを行う相手の要求は飲みません。

爆発の可能性もあり一帯は封鎖したのに、警備の網をかいくぐり劇場に入場しちゃう人(しかも酔っ払い)がいたり、翌日は軍関係者も入場したりで、厳戒態勢のなか出てきたのでスパイと勘違いされ射殺されてしまいます。警備がザル過ぎて唖然。コントしてんじゃねーよ!

幾日も占拠され、膠着した状況を打破するために、策を講じます。それはガスを流し込み犯行グループや人質もろとも昏倒させ、無抵抗状態になったところを急襲するというもの。これにより爆破テロを未然に防ぎます。

この時点で、人質側の試写は片手ぐらいの数なのにどうして100人以上も犠牲になったのは、先にある流し込まれたガスにより昏倒、そして意識不明に陥り、自らの舌で気道を塞いでしまい窒息死という、なんだ、この思いもよらない展開で犠牲になられた方が不憫でたまりません。ロビーに並べられる意識不明の人質がとりあえず置いておくといった形で並べられます。この光景をカメラが捕らえます。これ初めて見たよ…実際の映像っていうのは生々しくて圧倒的に負の力を感じるわ。

ロシア側はガス云々の情報が漏れないようにと情報を規制したせいで、病院側にはなにも情報もなく、対処や解毒薬の処置など遅れたせいで犠牲者が増えたのも一因です。

情報を規制するのはわかるけれど、解毒薬さえあればここまでの悲しみを生み出さなかったと思うばかりです。不謹慎だけどやっぱりあの国おそロシア…

 

第13話:アルカイダ支配地サバイバル作戦

敵がいないと思ったら隠れていて殺されるところだったよ!と端的に言うとそんな感じです。レーダーを使い、敵がいないと判明したけれど、本当は雪と山を掘った洞窟に潜んでましたという、テクノロジーの裏を掻いた作戦で罠にはめられたようなもの。ロケランでヘリを撃たれシールズたちが危険な目に遭います。運悪く、一人が敵陣に落下。彼を助けるために精兵を投じますが、あちらは地の利を活かし立ち回るのでさらに犠牲者が増えます。味方のために退却はできず、でも進軍すれば撃たれる。

ならばこちらは文明の利器で、戦闘機に機銃掃射やミサイルを落としてもらい掃討します。戦闘のプロの立ち回りでアルカイダを制圧しますが、そのときはもう味方は残念な結果となっておりました。

 

 

事象だけを忠実に再現しているので事件そのものの怖さとリアリティは十二分に味わえます。

最初見たもの以外、戦争の連鎖により巻き起こった事件簿ばかり。

国違えば立場も歴史認識も違う。

わかっていることを改めて認識し、まざまざと見せつけられた感じです。

武器を手にしている間は話しあえば分かる理論は到底無理なのだろうな…と、言葉を発する前に終わってしまうからね。