炭酸メトロノーム

映画やドラマの感想を気の向くままに自由に書き連ねてます/ネタバレアリ

映画「ゼロ・ダーク・サーティ」

映画「ゼロ・ダーク・サーティ


正直長いなあと感じてしまう160分という上映時間。
その映画にのめり込めばなんてことない時間なのですが、私にとってこれはちょっと長いなあと感じてしまいました。
DVDで視聴、章ごとっぽく分かれていたおかげで三日掛け見終えました。

そこんところ親切設計でありがたい。

 

これはゼロ・ダーク・サーティに限った話ではないですが、
長時間モノを映画館で見ることになっていたら尻の筋肉が悲鳴を上げそうで、
そして寄る年波のせいかノードリンクしても膀胱が持たない。そろそろハル○ケア常備するときが来たのかもしれない。

映画館はさ、暗闇が常で、トイレ!という由々しき事態が発生しても気軽に行けないわけで、スクリーンではクライマックスで大盛り上がりなのに、私ときたら、クライマックスに合わせたかのように止まらぬ尿意とあふるる膀胱の我慢対決がはじまり、気が気でない状態になってしまうのだ。

どうか私の膀胱が保てる140分ぐらいで決着を付けていただけるか、一部二部と分けて上映していただけたらありがたい。


のっけから膀胱との戦いを勢いで記して申し訳ないのですが、上映時間が長いと私の見たいリストから容赦なく外してしまう、悲しいかな、だがしかたない、これも不名誉なおもらしを回避するためであります。

 まだおむつを着用するには考えるお年頃ですし。

ネタバレあります。

 

 

 


CIAのマヤが911事件の首謀者逮捕のためにパキスタンに赴任するところから話が始まります。
マヤと共にビン・ラディン逮捕を追いかける、スリル溢れる展開の物語となっています。作りは本当に丁寧だと思うの。

舞台となるパキスタンの土地風景、拷問シーン、同僚の死、マヤが追い詰められていく過程も、ビン・ラディンの部下を追跡するため携帯電話の電波をキャッチして相手の居場所を突き止めようとするなどなど。

丁寧に余すことなく描くことで物語のリアルさを追求しています。

 

なんといってもマヤの執念と狂気。
彼女はビン・ラディンを捕まえるために上司を逆パワハラで圧力掛けるわ、シールズを勘で投入させます。
時間が経つにつれ、自分が常に正しい、疑うこと無く突き進む姿はその正義は歪んで見えるほど。


最後にビン・ラディンがいるであろう屋敷にシールズを投入し殲滅作戦を行います。

 

暗視ゴーグルにフル装備で臨場感たっぷり、で、慣れない任地のせいかブラックホークが墜落、うわー勿体無いー!けれどもシールズ頑張ります。
マヤの10年掛けた勘で指名されたお屋敷に突入開始。

どこに犯人が潜んでいるのかわからないし、同居している妻子の悲鳴や怒号やら爆音の騒ぎを聞きつけた周辺住民が近寄ってきたり、周辺住民を追っ払うこともしなきゃならんしシールズ大変。

ビン・ラディンじゃなかったら帰ってこいよ~と命令されてましたが、どうもそれっぽいなので戦闘開始。(違っていたら帰って来いともまあ、あれ、すごいアバウトだよね、シールズは命張って戦いにいくのにさあ、勘弁しろよ)

シールズは戦闘経験値豊富、息つく間もなくあっという間に占領、そしてビン・ラディンの最後を迎えますが…ああこれで復讐を成し遂げたという感慨に耽る間もなく、パキスタン空軍出撃という事態になり、このままだと爆撃食らうんで、はよう撤退しないと危険危険!あと墜落したヘリの痕跡を残さないように爆撃するけれど、ただでさえ時間もないのになんかかんやでちょっとしたピンチも付け足しやがって、ここまでスリルショックサスペンス多くて疲れてきたぜ、なんとか爆撃して無事帰還。お疲れ様でした。

 

正直…今までマヤのピンチや気が滅入る用な展開が多いだけに、もうちょっとシールズ頑張れ、いいや、もっとスピーディーかつスマートに描いてあげなよと思いましたけど。

 

最後にビン・ラディンとの戦いを終えたマヤ。
貸しきりとしてチャータされた輸送機に一人で乗り込みます。
あんた大物だねと茶化すおじさんと対照的に
ガランとした大きな機内に一人座る彼女の表情はまったく喜ばしいものではありませんでした。
復讐を成し遂げるために戦ってきた彼女、すべて終えたのに物悲しさしかないのはなぜなのだろうか。

行き先も告げることが出来ず、今までのことを邂逅したのか涙を流す。
報復を終えても、行く先などわからない、癒えることのない悲しみとマヤとアメリカという国のやり場のない空虚な気持ちを表した飛行機の中で終える良いラストだと思いました。


これ関係者の話を集め、それらを元に、数々の事件と組み合わせ、より一層ノンフィクション仕立てにした手腕は素晴らしい。

けれどもさ、ビン・ラディンの死をめぐり、様々な憶測があるのに、実際あったかのように映画化するのは早いような、商業的な魂胆やらCAIの宣伝とも思えてしまうのです。


実際の事件だけにユナイテッド93のようにデリケートに扱えよということで、言いたいこともまとまらないままひとまず感想終わります。