炭酸メトロノーム

映画やドラマの感想を気の向くままに自由に書き連ねてます/ネタバレアリ

映画「キングスマン」

R15、イギリス

 

R15と明記されているので、ややグロテスクなシーンもありますが、それを乗り越えてスーツ&英国紳士がお好きな人には背中を押してあげたこの映画。

 

いやー面白かった!新しい物をみたような、映画キングスマンにはそんな新鮮な感覚がいたしました。

キャストとそのキャラたちの性格付け、魅せる映像演出、イギリスならではの風景や小道具まで随所にこだわりを感じられ、またハリウッドとは一癖違ったスパイアクションの風を起こしたのではないでしょうか。

 

ここからネタバレ、それから虐殺器官についても記してます。

 

 

 

主人公エグジー(タロン・エガート)は秘密裏に動く国際的独立諜報機関キングスマンに属するハリー(コリン・ファース)から、スパイとして養成学校にスカウトされる。

エグジーはチンピラに絡まれるところ、ハリーはいとも簡単に倒してしまう。

ハリーは初老なのだが、姿は英国紳士の鏡といった出で立ちで、たぶんスーツに萌えてしまう人としては完璧な風貌でなかろうかと思う。そしてスタイリッシュに戦い、様々なギミックを使いチンピラどもを蹴散らすのだ。アクションも紙一重でかわしたかと思えば多段攻撃の流れ。一切隙がない。それからスパイギミックも心ワクワクするものがある。傘から小道具は飛び出すわ、開けば防弾シールド、傘の内側からは全画面モニターになっているので相手丸見え。私はこういうおもちゃ的ギミックが大好きなのだ、もしこれらのおもちゃがあれば喜び勇んで買いそうな自分がいたwちなみに時計は名探偵コナンと同じような麻酔銃よろしくといわんばかりに記憶消去の針が飛ぶw

心躍るアクションだけではない。悪役がいて、裏切り者もいる。青年の成長譚としてお決まりの展開もあれば、お約束としてエロもある。

悪役のヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)も一風変わっていて、彼は彼なりの善意で動いているのだ。自然保護活動に勤しんでいるがなかなか地球が救えない、ならば地球を侵食しているウィルス、すなわち人間どもを駆逐するために一番手がかからない方法として殺し合い自滅させる方法を手段を取るのだ。ああどこかで見た風景と思い出したのは虐殺器官でした。虐殺器官も言葉を使い、よその国に紛争を巻き起こしていくんだよね。

ヴァレンタインの方法は、フリーシムという通話もインターネットも幾ら使っても無料で配り、シムを通じて彼らの闘争本能をむき出しにさせ自滅へ向かわせるという。いかにも現代的なギミックを使いウィルスをばら蒔いている。

一部の金持ちや上層階級だけは生き残りをさせるため、識別するべく首元にチップを入れると闘争本能は抑制され凶暴化にはならない。しかし万が一としてヴァレンタインは保険として命令に背いた場合はチップがトリガーとなり体内爆発が起きるのだ。おっそろしいわ…

クライマックスはそんな彼らの頭がポンポン飛び跳ねます。悪趣味~だけど脳髄が飛び散ったりじゃないよ。そこは映像表現でカバーしていて小気味いいリズムと映像で笑ってしまいます。

 

ストーリーは王道、それでいてアクションシーンは一癖二癖もある。

映像表現としては好き嫌いは分かれるだろうけれど、巨大な悪と戦うとどうしてもシリアスにならざるえない展開が苦手だった人には手を叩いて喜んでしまう作品だと思う。